<そろばんで凄い人>より 

日本珠算連盟が奇数月発行している「日本珠算」の雑誌の<そろばんで凄い人>より・・・

今回は、公認会計士のWさんが、「珠算を生かして」という題でお書きになっている文章からの抜粋です。

 

私の日常業務の中で珠算は例えば次のように生きています。

(1) 相手の話の事実を検証するための暗算

  監査業務では被監査会社の経理責任者から決算の概況等をヒアリングして、業績を把握した上で監査計画を立案します。この概況把握の場面において、私は人知れず暗算を使って資料を分析し、説明の内容を検証していきます。・・・略・・・また、ヒアリング内容を暗算で確認していくので、相手の方がどの程度正確に詳細な説明をしているのかも判ってしまいます。

(2) 財務諸表の概要把握、分析

  暗算が出来ると、企業の決算書の重要な数値は、自然とソロバンの珠となって記憶されます。 ・・略・・多くの企業を担当する監査業務において、企業の規模や概況を把握しておくことは重要であり、それらのデータが頭の中に蓄積されていれば、もし異常なデータを目にしたときに、おかしいと直感で感じることもあるのです。

 以上、私の業務における珠算活用の一例をお話しましたが、実社会では、珠算は実に多くの局面で役に立ちます。なぜなら、目標や結果は数値として表現されるからであり、数値が使われている場面において、珠算は必ず己の味方になってくれるからです。

 暗算を使いこなせるようになるためには、何年にもわたり毎日練習を積み重ねるしかありません。その長年の地道な練習の中からは、根性、集中力、持久力が養われます。検定試験や競技大会を経験することにより、度胸や自信も培われます。それら鍛えられた精神力は、一生を通じて全ての基礎となって自分を支えてくれるはずです。    ・・・以下略・・・

 

少し長い抜粋になりましたが、現在公認会計士として活躍なさっていらっしゃる方の、「生の声」として、とても説得力のある文章だと思いました。また、珠算力・暗算力が自分の「武器」となるまでには、何年もの練習の積み重ねが必要だということも分かりました。これから珠算を練習して、上の級や段を目指そうと考えていらっしゃる方々にも、素晴らしいアドバイスだと思い、掲載させていただきました。