そろばんネタ帳

そろばんコレクション

007)萬年そろばん

萬年そろばん#226
萬年そろばん#226
昭和10年頃の雲州堂製「特許萬年式算盤」。この枠は、5玉算盤の玉のみを利用して4玉算盤に改良した際の古い枠です。「萬年式」の名前のいわれは、「萬年(いつまでも)使える」という意味です。左の画像で分かるように、左右の枠のツマ部分と裏脇板とが一体化されてブロック化しています。そろばんの最も壊れやすい箇所である「4スミ」をブロック化で防御しています。

その構造と高度な製造技術により、本体の狂いも極めて少なく、又驚くほど耐久力があり「破損修理が一例も無い」という伝説となっています。

萬年そろばん

裏面構造にも工夫が見られる。金属棒を十字に通しており、この細い金属棒が玉の弾きと振動を微妙に感じ、独特の使用感が得られるようにしてあります。まさに創意工夫の結晶であり、当時の職人の心意気が伝わる逸品であります。

 

萬年そろばん#226
ブロック型のツマ兼裏板部分に貼られた証紙。「特許 算界の一位 組方絶体毀レヌ 高級萬年算盤」