そろばんネタ帳

そろばんコレクション

019) ”元禄そろばん”浦城家から

当コレクションに掲載されている”元禄そろばん”をご覧になったことがあるでしょうか?

このそろばんの箱書きに記載されている「元禄三年庚午年六月吉日 浦城三四兵衛」を見た、ご子孫の方からご連絡を頂戴しました。浦城家の末裔に当たられる方です。

お電話でお話をさせていただき、家系図を送っていただきました。こちらが家系図等に詳しくありませんので、少しピント外れかもしれませんが・・。

浦城家は、慶長5年(西暦1600年)の初代 浦鬼與三左衛門 から連綿と続く名家です。三重県松阪を中心に、お茶や綿などの商品を扱い、江戸や酒田に支店を構えて居られる大店であったようですが、最近は商売より学問や医師を輩出されておられます。

その間、浦鬼>浦木>浦城と改名されています。

元禄年間に、浦城三四兵衛 英将という方が家督を継ぎ、浦木を浦城に改名し、中興開祖として本家を名乗られたようです。弊社所蔵のそろばんもこの方が使用されていたものと推測されます。

昔から「素封家」という言葉がありますが、まさしく三重県における素封家そのものと思われます。

 

振り返って、弊社所蔵の元禄そろばんを見直してみますと、「きわめて堅牢な作り」「細部まで丁寧に使いこまれた様子」「しっかりした箱書き」など、浦城家という大店の中で長年にわたって大切に使い継がれてきた様子が 手に取るように感じられます。

 

いただいた資料は珠算史を研究されている方にもお届けしておりますが、今後新たな発見があれば、本HP上で紹介をさせていただきます。

本当に貴重な御縁を頂戴いたしました。