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023)大発見!秀吉と拝領算盤(その3)

久野家御宝器控

 

 

前出の福岡市博物館学芸員の方から、久野家の「御宝器控」(福岡県立図書館所蔵)のコピーを入手しました。(活字化は宮野学芸員。黒い枠は雲州堂が追加)

「一、 算盤    右ハ博多町割之節 重勝公右之奉行被蒙 仰、其節従秀吉公御拝領」

 

前出の黒田二十四騎の文書では、「名護屋城築城(1591年)時の町割の功績による」となっていますが、久野家文書では「秀吉の九州平定(1587年)後の博多町割の功績による」となり、さらに年代が遡ることになります。

 上記のとおり年代の少しの違いはありますが、このような文書2部が発見された現在、弊社コレクション「四兵衛重勝拝領算盤」は、

「秀吉から黒田二十四騎のひとり、久野四兵衛重勝が町割りの功績を認められてくだされた算盤」

ということが決定的となりました。

 

何十年間も珠算史の中で迷い子となっていた、「わからないことだらけの算盤」(鈴木久雄先生)が、本年の黒田官兵衛のブームにより、日の目を見ることになったのです。歴史の散歩道の中で、行きつ戻りつしながら、少し明るい出口が見つかったようです。 関係各位に感謝、感謝です。

以上