そろばんネタ帳
そろばん四方山話
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- 022)「円周率を計算した男」鳴海 風著
- 「円周率を計算した男」 著者:鳴海 風 発行元:新人物往来社 鳴海 風(なるみ ふう):1953年新潟県生まれ 東北大学機械工学専攻 デンソー入社。1992年 「円周率を計算した男」で第16回歴史文学賞を受賞。2006年日本数学会出版賞受賞。 著者は、上記の略歴に見るように、エンジニアとして働くかたわら和算を題材とする短編を書いているユニークな作家です。本書には、表題...
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- 021) 冥土の旅はなぜ四十九日なのか
- 「冥土の旅はなぜ四十九日なのか」~数学者が読み解く仏教世界~ 著者:柳谷 晃 青春出版社刊 なかなか上手いネーミングですね。確かに「目からウロコ」の新発見がいっぱいです。かいつまんで紹介しますが、詳しくは本書をどうぞ・・・ ・仏教というと、どうも精神的な教えを説くものと思われていますが・・中略・・お釈迦様は数学の専門家ではないかという気がするほど、お経の中にはたくさんの数字が...
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- 020)「数」の日本史~我々は数とどう付き合ってきたか~
- 「数」の日本史 伊達宗行著 日本経済新聞社刊 縄文時代から21世紀まで、幅広い観点から「数」を捉えて、分かりやすい言葉で解説されている素晴らしい著書だと思います。 かいつまんで、紹介させてい頂きます。 ・数の知識は古来より人間社会においてきわめて普遍的なものであり、文化・文明の欠かせぬ尺度と位置づけられる。にもかかわらず、この視点から日本史を通観...
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- 012)「零の発見」岩波新書
- 「零の発見」―数学の生いたち―吉田洋一著 岩波新書 ゼロをかたるには、最もスタンダードナンバーな1冊です。1939年の初刊より、私の 手元にある1993年刊行で第78刷という超ロングセラーです。 確か私どもの世代の、中学校の読書感想文の候補に入っていたような記憶があるのですが、記憶違いでしょうか? なぜこの本をご紹介するかといいますと、...
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- 011)「異端の数ゼロ」<数理を愉しむ>シリーズより
- 「異端の数ゼロ」 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 著者:チャールズ・サイ フェ 訳者:林 大 早川書房発行<数理を愉しむ>シリーズ ※当HPの他の項でも記載していますが、紀元5世紀ころにインドで発明された「ゼロ」がヨーロッパに伝わって、なおかつ普及するようになるのは14世紀になります。「何故このような長い期間がかかったのか?」、私にとって大きな謎でしたが、本書はこの部分を...
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- 010)メモリーは「そろばん」のようなもの・・
- 「メモリーとハードディスクの違いは?」朝日新聞2009年3月1日より 直接そろばんに関する話題ではありませんが、パソコンの言葉を表現するのに「そろばんと帳簿」がつかわていましたので、紹介します。 ・ハードディスクは「帳簿」のようなもので、一度書き込んだら放っておいても内容が消えない。ただし、内容を書き換えたりするのに時間がかかる。容量の大きさは帳簿のページ数にあたる。&...
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- 009)ニュートン「ゼロと無限の科学」より
- ニュートンという科学雑誌の特集号ニュートンムックに「ゼロと無限の科学」が発行されています。そろばんと関連している部分を簡単にご紹介します。 ニュートンムック「ゼロと無限の科学」発行所:㈱ニュートンプレス 定価2,415円 ・多くの古代文明では、計算にはソロバンのような算盤(サンバン)や算木(木片を並べて計算する道具)が使われ、数字はその計算を記録するためだけに使われた...
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- 008) 「江戸の科学力」のご紹介
- 珠算史研究学会の大垣先生から、この本をご紹介頂きました。 「図説 明治の近代化につながった 江戸の科学力」 監修:大石 学 発行:学習研究社本体1,400円 もちろん「江戸の数学」欄では、そろばんや和算書の紹介がありますが、大石学 東京学芸大学教授の序文は、新鮮な印象がありましたので、抜粋して紹介させていただきます。 「江戸時代はこれまで、世界の2度のグローバリゼーションの間にあっ...
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- 007)雲州名工との対話 第3話
- 突然の大雪のおかげで良かったことを述べてきましたが、ひとつだけ残念なことがあります。読者の皆さんに、煤竹が本当に使用されている場面をご紹介したかったのです。「雪の覆われたワラ葺き屋根の中で、煤竹がどのように作られてゆくのか」或いは「囲炉裏から立ち上った煙が、どんな風にワラ葺き屋根を通過してゆくのか」を写真に撮ろうと予定していたのですが、予定地は大雪のため通行止めになっていました。  ...
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- 006)雲州名工との対話 第2話
- 大雪のせいで、JR木次線が部分不通になってしまいました。そのお陰で、2代目雲文さんと久しぶりにゆっくり話をすることが出来ました。何十年も前に、夜を徹して語り合ったテーマが話題になりました。 手作りそろばん職人と板前さんの共通点は? 手作りそろばんの方が機械作りのそろばんに比べて、工作精度が高く、玉が弾き易いのはなぜでしょう?「名人が作るのだから、良いそろばんであるのは当たり前でしょう」と...