そろばんネタ帳
そろばん四方山話
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- 005)雲州名工との対話 第1話
- 年初めに雲州(島根県奥出雲町)に出かけました。あいにくの大雪で、交通の便は大混乱でしたが、そのかわり、雲州算盤の名工2代目雲文さんとじっくりお話ができました。2代目雲文さんは、お互いに先代からの長~いお付き合いです。その対話の中から、印象に残ったお話をいくつか紹介させていただきます。 [雲州そろばんとたたら製鉄について] 奥出雲町が「雲州そろばん」と「たたら製鉄」の特産地であるのは偶然で...
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- 004)黒檀(コクタン)て、どんな木?
- 「黒檀の木は、もともと黒いのですか?」「黒色に染めているのですか?」と言う質問が良くありますので、そろばんの枠に使用されている黒檀の材料について説明をします。 樹種名:黒檀(コクタン) Ebony(英) 産地:インドネシア(セレベス島)を中心に東南アジア全域およびアフリカ一部に分布。 性質:非常に重く硬い材で、加工はきわめて難しい。耐久性に優れている。 インドネ...
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- 001)そろばんと「数」の歴史
- そろばんの歴史をさかのぼって行くと、 「数」というものに対する人類の歩みをひも解くことになります。 例えば、羊飼いが羊を数えるのに、始めは手足の指や小石を使っていました。 10頭いれば10個の小石、22頭なら22個の小石を使っていましたが、 面倒なので、大きな小石は10頭を表わすこと決めると便利になりました。 さらに賢い羊飼いは地面に何本か線を引き、その上に小石を並べて、 同じ小石でも隣の線の...
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- 002)チェックとそろばん
- 中世ヨーロッパでは、縦横に入った線(基盤目)の上に小石を並べて簡単な計算を行う「線そろばん」が使われていました。 そして基盤目は、携帯に便利な布地に描かれるようになり、これがチェックデザインの源流と言われています。 なお、当時はゼロや位取りの概念が普及しておらず、もっぱら計算は線そろばんで、記録はローマ数字で行われていました。 算盤の運算(1514年) ~東西算盤文献集(山崎與右衛...
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- 003)2進法とそろばん
- 塩川新助氏の2進法そろばん 昭和30年代まだコンピュータが普及し始める以前に、 当時富士通の技術者であった塩川新助氏より、弊社へ「2進法そろばん」の制作以来があった。 (塩川氏の依頼は更に進み、そろばんの桁数を表す定位点が西洋式の数詞に合わせた 3桁刻みになっている点に注意し、定位点を4桁毎に変化させ、 日本式の4桁刻みにも対応できるように指示された) 塩川新助氏は「社団法人情報処理学会 ...
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- 004)懐徳堂と中井履軒の螺鈿そろばん
- 懐徳堂(かいとくどう) 懐徳堂は、享保9年(1724年、江戸中期)に大坂の商人たちが現在の大阪市内に設立し、運営を行った学問所です。大坂学術の発展と商道徳の育成に貢献しました。一時は、江戸の昌平坂学問所と並ぶ人気だったと伝えられ、中井竹山・履軒(りけん)兄弟をはじめ、富永中基・山片幡桃などのすぐれた学者を輩出しました。 WEB懐徳堂 http://kaitokudo.jp/(外部リンク) 懐徳...